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「大丈夫か、あんた」
駅地下で晩ご飯をすませて家に帰り着いたら21時を回っていて、紫音は玄関の上がり框にへたり込んだ。
(つ、疲れた・・・・)
ぐったりと壁にもたれる紫音の顔を、疲れさせた張本人が心配そうにのぞきこんでくる。
光稀はまだ神魔の姿だ。
明日になれば戻ってるからと言って、そのまま家に帰ってきた。
(知らんぷりで寝ちゃおうかな。家でこの姿の光稀とふたりっきりじゃ落ち着かない・・・)
蓮から何をどう聞いたのか、あれから紫音がどんなにつっけんどんな態度をとっても、神魔はふわりと優しい表情で見つめてくるのだ。
恥ずかしくて、とてもじゃないが顔を見られない。
「お湯張ってくるから風呂でゆっくりしろよ、な?」
「・・・・ん」
風呂ならひとりで気が休まると思い、紫音は頷いた。
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