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「俺、ふつーの人間じゃなくてごめんな」
「・・・・別に、そこは困ってない」
「嘘言うなよ。神魔の俺に困ってるだろ」
紫音がキッと眉をつりあげた。
「困ってない! すぐに身体を許してしまう自分がイヤになるだけ」
過去を思わせる際どい内容に、光稀は内心ヒヤッとする。
(たぶん、これ以上は言わせちゃいけないんだよな。思い出させるのも絶対ダメだ)
光稀は拗ねた表情を作って、ぱりぱりとこめかみをかいた。
「すぐにってどこがだよ。あんた、昨日は俺の大事なとこ蹴り飛ばしたくせに」
誇張でなく、あれはのたうちまわるぐらい痛かった。
「え?」
「一緒の布団どころか、一緒の部屋ですら寝てくんなかったし」
「あ、えっと」
列挙し始めたら、神魔の姿になってからの手酷い仕打ちがどんどん思い浮かんでくる。
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