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涙を堪えた薫子は、悲愴な表情で美姫を見上げた。
「世間、に......子供の父親が誰、なのか知られない、ため......
お父、様は、それを認めて。
結婚式はもう、1ヶ月を切ってて......ック」
美姫は、遼が父親だと名乗り出た意図を知り、遼の漢気ある決断に胸を打たれた。
だが同時に、悠に何の相談もせず、遼と薫子の父親の意思により事が進んでいる事に、憤りも覚えた。
しかも、結婚式はもう目前に迫っているのだ。
「ねぇ、薫子......
悠には、赤ちゃんが出来たってことは伝えないの?」
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