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謀略(ぼうりゃく) #2
美姫の心情は、痛いほど分かる。
だが、これを避けてどうしてふたりの情事が暴かれることになったのか、それに対して俺たちは俺の両親や世間に対してどう対処しなければならないのか話し合うことは出来なかった。
躊躇う美姫を目の前にして、凛子おばさんが訴えかけた。
『美姫、あなたは大和くんに私たちの、来栖家の過去を語ったのでしょう?
大和くんに、隠し事はしたくないと。
私もそうですよ。
美姫、どんなに辛くてもあなたの過去を知りたいし、受け止めたい。
もうお互いに......秘密を隠して幸せな振りはしていたくないの』
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