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記者会見が終わると、俺たちは急いで別の服に着替え、従業員しか知らない通路を抜けて裏口へと出た。
そこには、白のプリウスが横付けされていた。
凛子おばさんが用意してくれたレンタカーだ。
俺たちの姿に気付いたおばさんが運転席から降り、俺と替わった。
おばさんは美姫に何か声を掛けてから、俺に手を振って立ち去った。
これから、おじさんの病室に戻るのだ。
美姫が急いで助手席に乗り、扉を閉めたのを確認するとアクセルを踏む足に力を込める。
来栖秀一の待つ成田空港に、美姫を届けるためだ。
「ごめんね、こんなことまでさせて......」
申し訳なさそうに謝る美姫に、俺はサングラスを掛け、真っ直ぐ前を見つめたまま言った。
「必ず、戻って来いよ」
「うん」
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