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ひろ兄が悪戯っぽい表情を見せた。
「お前と美姫さんが婚約出来るように親父説得すんの、大変だったんだぞ。
スキャンダルの渦中にいるような女と婚約なんてさせたら、羽鳥大蔵の信頼にまで関わるって言い出してさ。
打算でしか考えられない人だから、いかに大和が来栖財閥令嬢と結婚すれば親父にとって特になるのか、大々的にプレゼンして...」
「いや、ひろ。
殆どの案は俺が考え、プレゼンしたんだろうが」
「でも、親父を最終的に言いくるめたのは秘書である俺だぞ!」
ふたりのやりとりを聞きながら、猪口を持つ手が止まった。
え。
じゃあ、あの親父からの条件ってのは......兄貴たちの提案だったってことなのか?
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