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新旧対決 #2
司会進行は、このプロジェクトを立ち上げた大和がおこなうことになった。
正面に設置されたテーブルの前に立ち、喉を鳴らす。
いよいよ、始まる......
緊張が高まり、胸が張り詰めてくるのを感じながら、圧迫感を跳ね除けるように大きく息を吐き出した。
「本日皆様にお集まり頂いたのは、来栖財閥の新ロゴについて協議するためです。
これから、電報堂様と吉岡メディアエージェンシー様から来栖財閥の新ロゴを提案して頂きます。
より『新生 来栖財閥』のイメージに合うデザインを採用することとし、今後全ての来栖財閥の広告活動において、採用した広告代理店と契約します。
それぞれの会社とは、当社の今後の事業方針やイメージについて何度も打ち合わせをし、同じだけ時間を割いており、公平を期しております。
電報堂様とは我社が先々代からのお付き合いしている広告代理店であり、吉岡メディアエージェンシー様は会社設立からまだ僅か1年足らずですが、今回のコンペティションではそういったことは考慮せず、純粋にロゴデザインのみで審査下さい。
厳正な目で、判断して頂きたく思います」
大和の説明に、何人かの人間はフッと意味深な笑みを浮かべた。
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