第1章 若気の至りだったんです

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そしてダンジョンクリア後、PTの奴らは俺のことを腫れ物に触れるかのように不自然に優しく扱う。 「えっと、良かったです、また組んで下さいね先輩!」 「そういや、クリティカル連発でなにげに助かりましたよ!」 「ぼ、ボスに毒が効かなかったのは残念でしたけど、まあ、こういうときもありますよ!!ほら、つぎのダンジョンはきっとボスをケチョンケチョンにできるかも…… えっとこの地図によると次は……『障気の森』……うーむ、ダンジョンの名前からして毒は効かなさそ……ハッ、 ゲフンゲフン!ま、まあ、次も頑張りましょ!!」 思い出すだけで……うう。 「な、なにゆえそんな泣きそうな顔になっとるのじゃ」 娘の声で現実に引き戻される。 俺は次の瞬間、薬問屋の娘が目の前にいることも気にせずに慟哭していた。
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