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「出て行け。お前みたいなバットエンド作家がいると俺の店もバットエンドしちまう。」
そう言われた瞬間、俺の何がキレた気がした。
「お前!!それはどういう意味だ!!」
俺も龍之介の襟を掴んだ。次の瞬間、古本屋の店内で鈍い音が響いた。いつの間にか俺は吹き飛ばされていた。どうやら龍之介に殴られたらしい。龍之介は倒れた俺を立って見下ろしていた。・・・悔しかった、龍之介に貶されたことよりも今の自分の情けなさに。
「・・・・・・」
俺はそのまま無言で古本屋を出て行った。
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「あの馬鹿野郎が・・・」
彼が去った後、龍之介はある本を読んでいた。
その本のタイトルは『ハッピーワールド』
タイトルの下には『赤石 文也』(あかいし ふみや)と載せられていた。
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