スタートライン

4/5

0人が本棚に入れています
本棚に追加
/8ページ
1人静かな場所に行きたい。そんな衝動に駆られ2、30分ぐらい電車に揺られ海へと向かった。海岸に着くとまだ春の終わりのため少し肌寒く感じる。 「ハッピーエンド・・・ね。」 確かに俺だって読むんだったらハッピーエンドの物語を読みたいと思う。何故かと聞かれたら答えは簡単、読者本人と物語の人物を重ね合わせて読んでいるからだ。「自分もあんな風に・・・」 「こうなって欲しい」 などと思考を浮かべながら殆どの読者がそのように物語を楽しんでいる。 「・・・そろそろ潮時かな。」 元々趣味の延長でやっていたことだ。もう2年も出版してないため殆どの読者が俺のことなど忘れているだろう。 「まぁ、しばらくは貯金があるし、それまでになんとか・・・」 働き場所を見つけよう。そう言いかけたその時。 「どうしたの?」 誰かが声をかけてきた。
/8ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加