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霍去病は自分が死の世界の淵に立っていることが理解出来た。
くるぶし程の深さ川の中に自分はいる。
そして、ただ暗闇の中を歩いていく。
黙々とひたすらに。
何故だろう。
死の淵にいるという事を理解しているだけで
頭の中に靄がかかっているみたいにボーとする。
暗闇の中で水を踏む音だけが鳴り響く。
声がした。
聞き覚えのある声。
混沌した世界に
劉徹の姿が映し出された。
陛下…
映し出された劉徹の姿は
少年のような無邪気な笑顔を浮かべている。
そうか。
俺が死ぬという事は
多くの人を残して逝くという事なんだ。
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