霍去病の日々

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「あれ?」 李敢達の姿がなかった。 仕留めた鹿の脳天から矢が一本なくなっている。 「去りましたか」 横に高唐が並んだ。 「うん」 「李敢・・・李敢・・・・」 桑弘洋は、腕を組んで何やら思案にふけっている。 「どうされました?桑弘洋」 「いや、どこかで聞き覚えのある名前だと思ってね。それにあのなり・・・」 「そうだ!!」 桑弘洋が突然、指を鳴らした。 「どうしたの?」 「彼は、李公将軍のご子息だよ」 李公将軍と言えば、 呉楚七国の乱を鎮圧し 幾度となく匈奴を撃退している大将軍で 匈奴から【飛将軍】とも恐れられている。 秦の時代の大将軍 李信を先祖とする 名家である。
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