460人が本棚に入れています
本棚に追加
「あれ?」
李敢達の姿がなかった。
仕留めた鹿の脳天から矢が一本なくなっている。
「去りましたか」
横に高唐が並んだ。
「うん」
「李敢・・・李敢・・・・」
桑弘洋は、腕を組んで何やら思案にふけっている。
「どうされました?桑弘洋」
「いや、どこかで聞き覚えのある名前だと思ってね。それにあのなり・・・」
「そうだ!!」
桑弘洋が突然、指を鳴らした。
「どうしたの?」
「彼は、李公将軍のご子息だよ」
李公将軍と言えば、
呉楚七国の乱を鎮圧し
幾度となく匈奴を撃退している大将軍で
匈奴から【飛将軍】とも恐れられている。
秦の時代の大将軍 李信を先祖とする
名家である。
最初のコメントを投稿しよう!