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合点がいった。
李敢の妙な自信は、しっかりとした後ろ盾が存在するからこその
根拠のある自信なのである。
自分の矢だけ突き刺さっている絶命した鹿を
霍去病は見下ろした。
「矢が一本消えてる」
「それがどうかしたかい?」
「いや・・・また李敢とはどこかで会いそうな気がする」
鹿を射た弓の腕は優れている。
霍去病が射抜いた場所とほぼ重なるように
射抜いている。
互いの矢がしっかりと急所を捉えている。
(違う・・・俺の矢がわずかにで急所を逸れてる)
霍去病は、全身が粟立つのを感じた。
胸が高鳴っている。
自然と口元が綻ぶ。
「ねえ?高さん」
「どうされました?」
「俺、少し興奮してきたよ」
高唐と桑弘洋は、互いに
顔を見合わせた。
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