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第2話 『幼少期』
私の家は日本でも有数の大財閥。
「めぐ」こと宮内 恵は私の家で代々執事をしてきた家だった。
小さい頃の私たちはそんなこと分かるわけもないし、「幼馴染み」としてよく遊んでいた。
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(ここからエリの幼少期なるので、エリの一人称が 私→エリ になります。)
「めぐ、遊んで!」
今日もエリはめぐと遊ぼうとしていた。
そしたら、めぐはとても面倒くさそうにこう答えた。
「やだ。めんどいからついてくんな。」
それでもエリはついていくの。
だってめぐと遊びたいから。
めぐの歩く速さはエリの走る速さぐらいだからついていくのがとても大変だった。
そしたらさ、足がもつれちゃって転んじゃった…
エリは泣き虫だから、大声で泣いたわ。
めぐは優しいんだよ。だって、
「しゃーねぇなあ」
と言いつつも、「ほれ」とイチゴを食べさせてくれたんだもの。
「おいひい。」
「もう痛くなくなったべ?」
「うん」
そんな会話をしていたら、家で雇っているコックさんがイチゴを厨房から盗んだめぐを怒り、追いかけてきたの。
恵はご近所や使用人の間では有名な悪ガキだったのよ。
でもやっぱりめぐは優しかった。
それは雷が鳴る嵐の日。
「雷ってどうしてこんなにうるさくてピカピカしてるの!?なまえき(なまいき)よ!」
恐いよ恐い…誰か助けて
恐くて泣いていると、
「エリ!」
と名前を呼ぶ声が聞こえたの。
「大丈夫?」と心配した顔で来てくれたのは、お母様でもお父様でも使用人でもない。…恵だ。
安心からか、更に涙が溢れてきた。
「ねぇ、どうして私が泣いているのがわかったの?」
「お前が雷苦手なのしってるから泣いてるかもって…お前 守ってやんなくちゃって思って…」
それを聞いた時私は本気でこう思った。
「じゃあ、めぐのお嫁さんになってあげてもいいよ。」
「おうよ…」
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嵐の夜にした秘密の約束…忘れてないよね?
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