夜空に願いを

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 次の瞬間、三人の時間はギュルギュルと巻き戻され、街の灯りを見つめるシーンから再生された。  偶然か必然か、三人が夜空に願った内容はぴたりと一致していた。 『いつまでも、この時が続きますように』 「あと十秒だよ」  タクミが呟いた。何百何千と繰り返したセリフ。 止めようにも口が勝手に動いた。  これからも永遠に続く時の中、三人は同じ動作で同じセリフを吐き、同じ思い出を脳裏に浮かべ続ける。 『早く終わってくれ!』  三人は心中で泣き叫ぶ様に願った。しかし願いは夜空に届かない。  三人は知らなかった。 〈卒業式の日の、夜十一時十一分十一秒に、校舎の屋上で夜空に願い事をすると叶う〉  この都市伝説に続きがあった事を。 〈但し、叶う願いは一つだけ〉
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