0人が本棚に入れています
本棚に追加
次の瞬間、三人の時間はギュルギュルと巻き戻され、街の灯りを見つめるシーンから再生された。
偶然か必然か、三人が夜空に願った内容はぴたりと一致していた。
『いつまでも、この時が続きますように』
「あと十秒だよ」
タクミが呟いた。何百何千と繰り返したセリフ。
止めようにも口が勝手に動いた。
これからも永遠に続く時の中、三人は同じ動作で同じセリフを吐き、同じ思い出を脳裏に浮かべ続ける。
『早く終わってくれ!』
三人は心中で泣き叫ぶ様に願った。しかし願いは夜空に届かない。
三人は知らなかった。
〈卒業式の日の、夜十一時十一分十一秒に、校舎の屋上で夜空に願い事をすると叶う〉
この都市伝説に続きがあった事を。
〈但し、叶う願いは一つだけ〉
最初のコメントを投稿しよう!