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「敵機です!北西!140度!」 俺は叫んだ。 「早いな。」 リュウさんの声。 俺は逆の方角を見てみる。 やっぱり来てる。 「東側にも来てます!」 多い。こちら以上の大群だ。 「パターンC!スタンバイ!」 リュウさんの声に俺は操縦桿をきゅっと握り直す。 上下に分かれるパターンだ。 「「ラジャー!」」 ゴーで分かれたら、東から来てる敵に対して早すぎると思った。 しかしここで発言することは混乱を招く。 分かれたら俺は北西の群を相手にすることになる。 東側を相手にするノイトリックはうまくやるだろうか。 一瞬の内にそんなことを考えていた。 「ゴー!」 俺たちは上下に分かれ、パターンCの初期配置へと向かう。 敵機も編隊を変えて広がって来る。 「うおっ多いな!」 夏原が歓喜している。 俺は景気付けに2発撃ってやった。 怯んだ奴を回り込んでいたチーターさんが相手しに行った。 先手はこちらだ。 上にあがっていく敵機を俺は追う。 真下に入って垂直に上昇する。 手前で背面からロール。 撃つ。 離脱。 ついでに隣の奴も撃っておく。 当たらなくたっていい。 「後で墜としてやる」 チーターさんは最初の奴とダンス中。 リュウさんはさすが、ぐんぐんと飛んでもう墜としている。 黒い煙がスパイラルで墜ていく。 「あっははは!」 俺は笑った。 リュウさんの力強い上昇を真似してみる。 ぐん、ぐん、とイメージして飛ぶがどうも重い。
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