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夏原の股がったバイクの後ろに俺も股がる。
夏原がエンジンをふかせて、バイクを発進させる。
「俺、アシスに行くつもりだったけど、別に夏原と行きたいわけじゃない!」
俺は夏原の肩を掴んで叫んだ。
「たまにはバイクも気持ちいいよな!」
会話にならない。
基地を離れるとアシスまでは建物はなく、固い土の上を走るだけだ。
たまに土埃が舞うが、肌に感じる風は確かに気持ちがいい。
ポツンとアシスの街が見えてくる。
アシスというのが街の名前なのか、このあたりの店一帯のことを言うのか俺はいまだに知らない。
夏原がバイクを止める。
バイクを降りて俺は先にバーへと入る。
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