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おっさんが初めて魔法少女と出会ったのは、まだ3歳の頃だった。
テレビの中で、可愛い衣装に身を包み、悪を倒す。その愛らしい姿に、彼は惹きつけられた。
感じた事のない胸の高鳴りに、 彼は思った。
『魔法少女になりたい』
そんな無垢な少年の願いが叶ったのか、彼が38歳、つまりはおっさんになった頃『本物』の魔法少女がおっさんの住む地球に干渉を始めた。
魔法少女連盟初代にして永遠の会長、サリー曰く
「全宇宙の秩序を守るには魔法少女が足りぬ! まどか級の逸材を求む!」
との事。
魔法少女志願者は数多く、ふるいにかけなければならない。そんな状況で、サリーが出した選抜方法はシンプルだった。
「自分の世界を救え」
ただそれのみ。
魔法少女志願者には魔法のアイテムが与えられ、想いの強さに反応して、保持者に力を与えるという説明がされた。
おっさんが与えられたのは古風な魔法のステッキだった。
おっさんはそのステッキを握りしめ、このチャンスだけは逃さないと決意を固めたのであった。
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