夏の星空に咲く願い

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 好きな映画や俳優の好みまで見事に一致していた。  ここまで彼女との仲は順風満帆だ。  「明治池公園から観るのがオススメって久美が言ってた」  彼女は沖縄県出身で、まだPLの花火大会を観たことがなく、大阪に来た時から凄く楽しみにしていたそうだ。  去年は渋々納得してくれたが、今年は納得してくれそうもなかった。  「気が早いな~、分かった。今年は花火大会観に行こう 」  僕は笑顔で答えた。  「ヨシ、絶対だからね」  満里奈は会心の笑みを浮かべコーヒーを飲み干す。  僕は最後に観た花火大会の夜の事を思い出していた。  僕が高校生の時、当時付き合っていた彼女と花火大会を観に行った。  ずっと胸に秘めていた想いが通じ、僕にも初めての彼女が出来た。  毎日が新鮮で、喜びに溢れ、彼女の事ばかり考えていた。  そんな日々が高校生最後の夏まで続いた。  「ここから観ようよ」  涼子は明治池公園近くの駐車場で空を見上げた。  何とか時間に間に合った割に、その場所はそれほど人もおらず、遮る建物も見あたらなかった。  「お、いいんじゃない。」  そう言って駐車場に椅子を置き缶コーヒを口に含む。  「本当に好きだね、缶コーヒー」  涼子がイタズラな笑顔を僕に向ける。       
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