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「………おーい……リョウガ~~!」
リョウガはシィの向こう側にいた小さな二人の影を見つけた!
「ノウェルさん、ドロシアさん!!」
ノウェル達は服はボロボロだったが、元気だった。
「…転送者の無事を確認……これより移動しマス…」
シィは何事もなかったかのように歩き出したが…
「…まてよ!」
シィを制止したのは他でもない、ノウェルだ。
「どうかなされましタカ?」
「ここはどこなんだ、確かに俺たちは逃げ切れたようだが、まだ俺たちは何が何だかサッパリだ!!」
流石のノウェルも立て続けに騒ぎが起こったので、多少パニックになっていた…
もちろん、リヒトの犠牲もノウェルに堪えた事も原因なのは言うまでもない。
「確かに…」
ドロシアもつぶやく。
「まだ私たちは状況を呑み込めていない。ただ、ついてこいと言われたって、私たちはついていかないぞ!」
「アンタがまだ味方かってのも、まだわからないッスからね……」
三人はシィを睨む…
「わかりまシタ…」
するとシィは廃墟へと移動した…
「ひとまず、簡潔に説明しましョウ。ここはあなた方にとっては裏世界といえる世界。空間のズレにより、2つ重なり合い、互いに干渉する事なく存在するもう1つの世界。名を『ユニア・サテライト』といいマス。」
「ユニア・サテライト…?」
3人はどこか聞き覚えがある。
「ユニアって…俺のもう1つの名前の…!?」
うろたえるノウェルをよそに、シィは続ける。
「話が長くなりそうデス。詳しくは、中で現状をご説明しマス…」
シィはドアをかろうじて残る廃屋の1つの扉を開き中へと入った…
「……どうする…ノウェル。」
「まぁ…話の通じないヤツではじゃなさそうだな…」
ノウェル達もしぶしぶ中へと入っていった。
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