Ⅰ*奴隷列車の攻防

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─────── 「おい…ホントに大丈夫なのか?」 ひとりの男性は話しかけてくるも、青年は気にせずフードを更に深くかぶり、呟く。 「…助かりたかったら、しっかり仕事してくれ…」 青年は目を閉じてささやくのみだ。 「……信じるからな…?」 男をよそに、青年は頬についた水晶のアザ、晶帯に触れ、何か呟いた。 「準備はいいか?…よし、やるそ。」 青年はゆっくり立ち上がり… 「ぐぁぁぁぁ!!助けてくれぇぇぇ!!!」 すると彼は、急に悶えだした!! お…おい!!血を吐いたぞ!! だれかきてくれ!! 周りも合わせるように騒ぐ。、 「どうした!!」 騒ぎを聞きつけ、外にいた見張りが鍵を開け、扉から入って来た!! 「…今だ!!」 その刹那、辺りが突然光り出す! 「な、何だ!この光は…ぐぁ!!」 辺りの光が消えたとき、そこにいたのはフードを脱ぐ灰色の髪の青年と、光り輝く妖精だった。 「ナイスだったぜ。リヒト。」 『と~ぜん!!』 「あ、アンタ…本当に妖精使いだったのか!?」 奴隷達は青年に近寄り、倒れる見張りを見ながら驚く。 「しかも、武装した商人を一瞬で……あ、アンタは一体?」 「俺は…ノウェル。『ノウェル・エヴァンス』だ。この列車はどこに向かってるんだ?」 「たしか、ラルパの港って言ってたぞ。スィールバから採掘された源煌晶(マテリアル)と一緒に運搬するんだとか…そこから先は海路で収容所に運ぶって言ってたが……」 ラルパか…とノウェルはつぶやいた。そして、とんでもないことを言い放った。 「列車…奪うか。」 ノウェルの飄々とした発言に、周りの奴隷達は目を見張り、唖然とした! 「無茶だ!ヤツラ全員に勝てるわけ無い!!」 まわりがうろたえるなか、ノウェルは溜め息をついた。
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