Ⅰ*奴隷列車の攻防

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ノウェルは、ぶつかる寸前に飛び上がった。 「なに!?」 ノウェルは空中でガンブレードの銃口をシスイに向ける! 「喰らえ!空牙塵(クウガジン)!!」 そしてトリガーを引き、ガンブレードから空気を込めた空気弾をシスイに撃ち込んだ! 「しまった!ぐぁぁ…!」 シスイは吹っ飛び、壁に打ち付けられる。 「どうだ!?」 ノウェルは着地して倒れるシスイを見た。 しかし、 「フッフッ……驚いた…武醒煌晶器(ボーディクリスティア)まで、あなたも持ってるとはね…」 「おいおい、マジかよ……!」 ノウェルの思惑に反してシスイは何事もないように立ちあがった! 武醒煌晶器(ボーディクリスティア)とは、装備者の身体能力を底上げさせて、先ほどの様な「術技」を発現させる煌晶器(クリスティア)であるが、大変高価であるため、兵士や、限られた者しか所持していない。 「どうやって手に入れたかは知らないが……」 シスイは立ち上がり構えた! 「今度はこちらから行かせてもらおう。」 シスイはノウェルに向かって走り出す! 「させるか!」 ノウェルは構えるが、シスイは目の前で消えた! 「なに!どこへ!?」 「遅い…」 後ろに振り返るとそこには構えるシスイがいた。 「行くぞ…爆竜拳(バクリュウケン)!」 シスイは連撃をノウェルに食らわせる! 「ぐあっ!」 「さらに、氷刃裂空殺(ヒョウジンレックウサツ)!」 そしてノウェルを上へ打ち上げ、氷のくさびを何発も打ち込んだ! 「ぐぁぁ!」 そしてノウェルは地に伏した。 「…強い…だが、まだ未熟者…」 シスイは手で手刀を作り胸に突き立てた。 「危険な芽は摘ませてもらいましょう…」 ノウェルの心臓に突き立てようとするその瞬間…! …ピピピピピ…ピピピピピ…… 「通話煌晶器(コンヴァークリスティア)か……こんなときに…」 シスイは煌晶器(クリスティア)を取り出し、耳に当てた。 「…はい……え?……どうして!!…はい、わかりました…」 通話が終了すると、シスイは煌晶器(クリスティア)をしまい、外への扉を開ける。 「キミは運が良い。僕は急用ができたから、君の命預けておくよ。この列車は好きに使うと良い。」 そう言うと、シスイは列車が動いているのにも関わらず、外へ飛び降りた。
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