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◆砂漠の花,ラルパ(Larpa)
◇ラルパ駅
「いや~アンタを信じて良かった!!」
先ほどの奴隷達がノウェルに握手をしていた。
「おかげで逃げることも出来て大助かりだぜ!!」
「あぁ…良かったな。」
ノウェルは正直うんざりだった。ノウェルにとって列車を奪った事はあくまで自分の都合。奴隷達の解放もついでに過ぎない。
が、ノウェルも人の子。感謝されて嬉しくないということもなければ、人の感謝を無下にするほど冷たいわけでもない。
「ところで、アンタ逹はこれからどうするんだ?」
ノウェルは話を変えるため、切り出す。実際、列車の強奪の知らせは、シスイとかいう幹部の奴から届いてるだろうし、いつまでもここにいたらヤバイだろう。
「俺たちは教会に行くつもりさ。スピカ教団のな。」
「スピカ教団…か……」
スピカ教団とは、この世界の煌晶人(クリスト)のほとんどの人が信仰している、新興宗教のスピカ教をとりまとめる団体だ。
スピカ教は煌晶人を神の使いの末裔とし、精力的に保護しようとしている。
しかし何かと黒い噂も絶えないため、一方の源祖人からは支持を得ていない。
「あそこなら、俺らみたいな奴らもかくまってくれるからな。そっちはどうするんだい?いくらリゾート地のラルパとは言え、灼熱のディジア大陸の隅っこで。」
ノウェルは踵をかえして言い捨てた。
「アンタらには関係ないことだ……じゃあな。」
───────
ノウェルは駅からそのまま大通りに来ていた。
『…ノウェル』
「あぁ…つけられてやがる。」
ノウェルは急いで路地裏に入った。
そして、物陰に隠れ、武器に手をかける。
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