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しばらくすると、物陰の反対側から声がした。
「……闇の裏は無…対は光…さすれば真理は?」
ノウェルはため息をつき、言った。
「…ヒトの心。」
そう言うと黒いローブをまとった人物が現れた。
「アンタか、連絡か?」
そいつは紙を手渡した。
「……指令、フェーズ2。星府軍ディジア大陸基地に留まる予定のシリウス星国の国王、『アロルナ・C・シリウス』を暗殺せよ…か。」
ノウェルは紙をまるめて宙に投げた。
パン!!
そして、ガンブレードで撃ち抜いたあと、言った。
「全く、こんな砂漠の街に来いとか、暗殺しろとか、人使い荒いぜ……でも、これで教えてくれるんだよな…あの人の情報。」
「…これが成功したら…」
「失敗したら?」
「お前は永遠に彼女を救う事はできない……」
すると、そいつは煙玉を巻いて消えた。
「上等だ。」
ノウェルは薄ら笑い、ホテルへ向かった。
◇ホテル
ノウェルは駅近くのホテルに入った。部屋は三等客室。
「リヒト。決行は夜。準備しとけよ。」
『せっかくのリゾートなのに~。ねぇ、ノウェル!少しだけでも遊びに行こうよ!』
「バカいうな。俺たちは遊びに来てるんじゃねぇんだよ。それに、煌晶人の俺たちがリゾート施設に入れるわけがねえだろ。部屋だって普通の倍のガルドを積んでようやく三等だ。同じ値段で源祖人なら一等客室だ。」
『煌晶人差別か。妙なことするよね、人間て、』
ノウェルはベッドに横になった
リヒトもしばらく部屋を飛び回り、ノウェルの枕元にとまった。
「何だ?リヒト。」
『これで…終わりなんだよね。ノウェルがアイツらとの縁が切れるのは…』
「あぁ…」
ノウェルは寝たまま答えた。
「成功したら、情報を貰って、アイツらは用済み。失敗してもあいつらに頼ることもなくなる。正しくこれで最後だな。」
ノウェルは目を瞑る。そして呟いた。
「姉様…今しばらく…」
そして、徐々に眠りについた。
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