Ⅱ*緋色の髪の女軍人

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しばらくすると、物陰の反対側から声がした。 「……闇の裏は無…対は光…さすれば真理は?」 ノウェルはため息をつき、言った。 「…ヒトの心。」 そう言うと黒いローブをまとった人物が現れた。 「アンタか、連絡か?」 そいつは紙を手渡した。 「……指令、フェーズ2。星府軍ディジア大陸基地に留まる予定のシリウス星国の国王、『アロルナ・C・シリウス』を暗殺せよ…か。」 ノウェルは紙をまるめて宙に投げた。 パン!! そして、ガンブレードで撃ち抜いたあと、言った。 「全く、こんな砂漠の街に来いとか、暗殺しろとか、人使い荒いぜ……でも、これで教えてくれるんだよな…あの人の情報。」 「…これが成功したら…」 「失敗したら?」 「お前は永遠に彼女を救う事はできない……」 すると、そいつは煙玉を巻いて消えた。 「上等だ。」 ノウェルは薄ら笑い、ホテルへ向かった。 ◇ホテル ノウェルは駅近くのホテルに入った。部屋は三等客室。 「リヒト。決行は夜。準備しとけよ。」 『せっかくのリゾートなのに~。ねぇ、ノウェル!少しだけでも遊びに行こうよ!』 「バカいうな。俺たちは遊びに来てるんじゃねぇんだよ。それに、煌晶人の俺たちがリゾート施設に入れるわけがねえだろ。部屋だって普通の倍のガルドを積んでようやく三等だ。同じ値段で源祖人なら一等客室だ。」 『煌晶人差別か。妙なことするよね、人間て、』 ノウェルはベッドに横になった リヒトもしばらく部屋を飛び回り、ノウェルの枕元にとまった。 「何だ?リヒト。」 『これで…終わりなんだよね。ノウェルがアイツらとの縁が切れるのは…』 「あぁ…」 ノウェルは寝たまま答えた。 「成功したら、情報を貰って、アイツらは用済み。失敗してもあいつらに頼ることもなくなる。正しくこれで最後だな。」 ノウェルは目を瞑る。そして呟いた。 「姉様…今しばらく…」 そして、徐々に眠りについた。
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