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「さてと…」
無事逃したと確信した青年は不思議な大剣を構え、商人達に向き合う。
柄の部分はまるで日本刀を思わせる装飾だが、鍔の部分からひとまわり大きいリボルバーのようなシリンダーが手前よりに設置され、本来はそこから銃口へと伸びる部分が巨大な刃となっている。弾倉を叩くハンマーはレバーのようになっている。
青年は左手で銃を持つように人差し指をトリガーにかけ、他の指は普通の剣を握るような独特な持ち方をし、左肩に載せる。
そして不敵に、右手で敵を挑発するように手招く。
「さぁ。来いよ、奴隷商人ども。」
しかし…
ドスッ!!
後頭部の鈍痛とともに、青年の意識が遠くなる。
そう、背後にも目の前の敵の仲間がいた。
「クソっ…他にも…いたのか…」
呟きながら体を砂に任せ、目の前が暗くなっていく。
こんな…ところで…
俺は…あの人の為にも…
ここで…倒れる…わけに…
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