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『ねぇーねぇさま、あの星はなーに?』
雪が舞う丘に、幼い灰色の髪の少年と翡翠色の長い髪の少女が空を見上げ、一際輝く星を見上げていた。
雪の結晶がしんしん降る丘は月明かりで照らされ、銀色に輝いている。
『あれはアルタイル。隣りがヴェガよ。ふたつの星は仲良しなの。』
『ぼくとねぇさまとおんなじだ!』
『ふふふ、ホント。同じね。』
空から落ちてきた星のように、キラキラ煌めく雪の結晶は、翡翠の髪の少女の頬にあるアザを微かに濡らす。
灰色の髪の少年は寝そべった。
雪で湿った地面に頭をつけて、つめたっ、と叫ぶ少年の頬にもアザがあった。
『あ、流れ星だ!』
すると、灰色の髪の少年は祈りを捧げた。
『何を祈ったの?』
数秒間の沈黙のあと、翡翠の髪の少女が少年の顔を覗き込んだ。
『えーとね……』
少年はすくっと立ち上がり、少女に向かってニカっと笑った。
『ヒミツ!!』
灰色の髪の少年は照れ臭くて言えなかった。
〈いつまでも、姉様と一緒にいれますように……〉
そんな未来を、星にお願いしたなんて。
しかし、その願いが……
星に届くことはなかった……
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