Ⅰ*奴隷列車の攻防

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奴隷運搬用列車・ネオアルゴ0765(Neo-Alugo,No.0765) 驚きを隠せなかった。 何故なら、そこにはボロボロの服を着て、ガリガリに痩せこけた老人や、薄汚れた少年が膝を抱えて座っていたり、死んだ魚のような眼をして寝転んでいたからだ。 「鎖で繋がれ、服もみすぼらしい。間違いなく奴隷だが、こんなに集められてるってどういう事だ?」 青年は一人の小麦色の肌の黒髪の煌晶人の男性に駆け寄った。 「おぉ、お前も捕まったか?」 「捕まった?」 青年は首を傾げた。 「ここは奴隷になるために捕まった煌晶人(クリスト)の墓場だ。俺たちは……売られるんだよ……」 そうつぶやくと、男はそっぽ向いた。 「まさに奴隷運搬列車…ってわけだ。」 フードの奥の瞳は列車の進行方向、つまり先頭車両の方の扉をみつめていた。 「にぃちゃん、変なマネはやめた方がいいよ。」 すると別の煌晶人が青年の意図を察して、止める。 「武器も無いくせに、何をする気さね。」 「武器?武器なら……」 青年は自分の背中にあるであろう武器を取ろうとした、しかし… 「……あれ?」 背中にあるはずの武器はすっからかんだった。 「な、ない!?俺の武器!!」 「きっとあんたも取られたんだ。」 「ちっ、厄介だな…」 先頭車両の方の扉の窓を覗いてみると、見張りがふたり……他には誰もいなかった。 「…でもまぁ……やるしかないな。……」 青年はつぶやくと、振り向き、奴隷となった煌晶人達に高らかと言い放った。 「おい…アンタら、助かりてぇか?」 青年は、自分の企てた作戦を皆に伝え始めた。
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