第12章 もう逃げられないのかも

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まぁ油断してたらどっちにしろ同じか。鍵も衝撃を受けてる隙に一瞬で手から抜き取られた。スマホを手にしてても同じ結果だったかも。 テーブルの傍に置かれたわたしのバッグ。あの内側のポケットに入ってるスマホに何とか手が届けば…。 「だから、考えたんだよ、夜。君はあのクラブを辞めたらいい。それで、僕たち四人の共同のペットにならないか?ここなんかよりずっと豪華で快適な部屋をみんなで借りてあげる。何ならマンションを買ってあげてもいいよ。毎月お小遣いも使いきれないほど沢山あげる。…その代わり僕たちが訪ねていった時はいつでも服を脱いで脚を開くこと。昼でも、夜でも。…いつでも。こっちが一人でも四人でも。友達を連れていって十人以上のパーティでも。…身体はいつでも僕たちの思うようにできる。だって君は、僕たちみんなのペットだから」 両側の男の手が左右の肩に触れた。目の前の床に座ってた二人も立ち上がって近づいてくる。わたしは目を閉じた。…かがや、さん。 わたし、もう。…駄目かも。 間近に迫った男たちの興奮しきった呼吸に混じってさっきの声が囁いた。 「今夜は簡単に終わらせないよ。…夜の身体、本当に久しぶりだからな。僕たちをあまりに焦らすとどんなことになるか、今日はじっくりその身体で知るといいよ」
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