第四章 ザ・ド ヤーモモの出自を聞く

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父は祖国の国民の惨状に涙しましたが、実の兄との戦いは避けたい のが本音でした。 そんな父を三人は熱意と懇願をもって説得に努め、ついに父の合意を 取り付けたのです。 母は、国民の窮状を救い、祖国をソト国の侵略から救うべく決意した 父を止める術を母は持っていないことを知らされました。 父は祖国に密かに帰国し、仲間とともに反国王組織をまとめ、その 人望を慕ってくる人も徐々に増えついに国王を追放して新国王の座に 就いたのです。 国は疲弊しており、父は心血を注いで復興に尽力しソト国の侵略をも 食い止めることができました。 父はようやく私達母娘をアメ国に招いてくれました。一、二カ月は 父の傍で母娘は平穏に暮らすことができましたが、ソト国との戦争 の終結のための式典に父と母がソト国を訪れることになりました。 しかし、ソト国は父の来国を機に父を襲って監禁してしまったのです。 ソト国は国王を人質にとってアメ国に屈辱的な条件を突き付けて きたのです。 まず、ソト国の参謀をアメ国の統治者として受け入れさせられました。 次いでその参謀と私を結婚させることです。 私は腹心の部下数人を従えて国を抜け出したのです。 幸いにも私はアメ国での生活が短く私の顔を見知っている者も限 られていることから、無事国外に出ることができました。 しかし、母の父の処はソト国の手が伸びていて監視されていることは 必定であり行けません。 暫らく身を沈めていましたが、何時までも隠れていては父母を 救い出せません。 情報を集めることと移動の容易なことから劇団を作ることにして 名前をヤーモモに変えたのです。
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