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ミートモや幾人かの幹部やそれ以外にも数名アメ国の私の腹心の
部下がいます。
渡しには使命があるのです。人を好きになる資格は今の私には
無いものと思っていたのですが・・・。
今の私は貴方への愛と父母への愛とそしてアメ国国民への責任の
板挟みの身なのです。
でも、貴方に会って私に勇気が生まれました。貴女は私を救い出
してくださいました。
今度は私が父と母を救い出さなければなりません。父と母を救い
出すことができれば、父と母は国民を救うべく動いてくれます。
言わば勇気の連鎖反応が必要だったのです。貴方に感謝します・・・」
ザ・ドは、驚愕に打たれてヤーモモの話を聞いていた。
あたかも、ヤーモモの母が父から真相を明かされたと同じ気持ちで聞き、
状況を正確に理解した。
ザ・ドの中の剣士の血が沸き立ってきた、国民のために戦う剣士
になりたい、なろう!
たとえ、ヤーモモから頼まれなくても僕はやり始める、と自分の
心が決まったことを自覚した。
「君の仲間に会って話を聞きたい」と、ザ・ドはヤーモモの目を
見て言った。
「貴方を巻き込みたくないの・・・」と言うヤーモモに
「僕の心は既に決まってしまった。僕は君のために生きていく
ことにした。
そのためには、君の現状は僕の現状として受け入れることになる」
と、ヤーモモの両腕を捕まえて話し、そこ後ガバッとヤーモモを
抱きしめた。
「ありがとう、ザ・ド、でも無理をなさらないで、貴方はシャープ
卿の跡取り息子ですもの・・・」
「僕は今まで、父に甘えて生活をしてきいたのに気づいたんだ。
同じ歳で君のように生きている人を見て恥ずかしさが込み上げて
くるよ、ヤーモモ、僕にも協力させてほしいんだ。
僕の身を君に上げる!」
「ああ、ザ・ド!ザ・ド!やはり貴方は素晴らしい人です!」
ヤーモモはザ・ドの手を採って言った。
「今日はもう遅いから、帰らなければならないが、明日また来ます」
「明日は十天時には出発します。それまでならミートモがお相手で
きると思います」
分かれの口づけを交わしてザ・ドは夜の闇の中に踏み込んで帰りを
急いだ。
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