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一番のお気に入りで、擦りきれるまで読んでもらった絵本があった。
『ふたごの星』
という、貧しい農家に生まれたふたごの男の子の物語だった。
貧しいけれど、優しい両親の元に生まれたふたごのマルコとジョン。
二人は毎日両親の手伝いをして、忙しいながらも家族四人で幸せに暮らしていた。
だが、両親は死をもたらす疫病に倒れてしまう。ふたごは畑で収穫したジャガイモを手に医者探しに奔走するが、
「そんなシケたジャガイモじゃ治療代にはならないよ。治療をして欲しければ金貨を持って来なさい」
と、ことごとく冷たく断られる。
日に日に両親は弱っていった。
途方に暮れたふたごの前に現れたのは紫の装束を頭から被った老婆の姿をした魔女だった。
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