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何度もこの絵本を読んでほしいとせがむ私に、父は涙ぐみながら言ったものだ。
「菊野は、何故こんな悲しいお話が好きなのかな?
……パパも、読んでて泣きたくなるから、もっと他の楽しい本にしない?」
涙混じりの懇願をガンとして聞かず、いつもこの本を読んでもらった。
その度に悲しがって泣く父の頭を撫でて慰めた。
マルコとジョンを、私が幸せにしたいと本気でこども心に思っていた。
「パパ、私ね、大きくなったらふたごのママになりたい。
ふたごにマルコとジョンて名前を付けて、いつまでも楽しく仲良く幸せに暮らすの。
そうしたら、この子達も幸せになれるかな?」
私は、結婚してからもその願いを持ち続けていたのだ。
私の夢は幸せなお嫁さんになる事と、ふたごの男の子のママになることーー
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