愛憎

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「ふあああ……」 祐樹が、キッチンのカウンターで豪快な欠伸をする。 「もう……祐ちゃん、お行儀悪いわねえ……授業中にそんな事したら先生に廊下に立たされるわよ?」 「大丈夫だよ~。担任のノリカ先生、そんなことで怒らないし。 それに先生ね、俺の事好きなんだよ? ほら、今歳の差カップル流行りでしょ? ノリカは~今25歳だから、俺が16くらいになればノリカはその頃31歳か~ちょうどよくない?」 「……ぶっ」 パンを喉に詰まらせてしまった私はコーヒーで無理矢理流し込む。 祐樹が、テイッシュを箱ごと寄越して眉をしかめた。 「も~ママったら、ちゃんと噛んで食べてる?」 「ち……ちが……祐ちゃんが変な話をするからじゃない!!」 「バッカだな~冗談に決まってるでしょ~ ママは直ぐに本気にするんだから~」 「そ~そ~! 大体、担任の女教師よりも、真歩先生の方がいいでしょ~?」 リビングのソファで朝の情報番組を観ながらコーヒーを飲んでいた真歩が言った。
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