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指を引き抜いて筋張った手首に噛みつく。弾力のある腱が心地よい。じゅ、と吸い付けば指先で頬を撫でられる。
「まあ俺の目が黒いうちに、お前みたいなのに殺されることはないさ。」
「わかんないよ?」
「俺がお前を殺す方が早い。」
はた、と噛むのをやめる。視線を上げると真っ黒な目が私を見下ろしていた。
「……なるほど、違いない。」
先程まで噛んでいた手首を拭い放り出す。
なぜ彼が疑似殺人に付き合うのか。
要するに、似た者同士ということだろう。
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