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「ノムー、どうだった?」
「うん、エレナに言われたとおり、ちゃんと見てた。
知ってるかもしれないけど、エレナがチェックしてた人は全員、明日の本選に進んだ」
私が気になっていたのは、本選で戦うことになる強敵。
その戦闘スタイル。
事前に可能な限りの情報を得るため、ノムに試合の観戦をお願いしておいたのだ。
「うん。
一応、私も自分の試合の合間で見てたんだけど。
ノムの感想としてはどうだった?
誰が手ごわそう?」
「じゃあ、手ごわい人は後に残して、比較的に弱いと私が思う人から挙げていくね」
「よろしく」
「まずはアリウス。
弱い、と言っている訳ではない。
彼も前回に比べると格段に強くなってる。
もし、エレナとあたったら本気で勝ちに来ると思う」
「そうだね」
「クールな顔しているけど。
実際、エレナに負けたのが相当悔しかったんじゃないかな」
「そうかな?」
「アリウスの戦闘スタイル。
特筆すべきは『ナイトリキッド』。
魔導の魔力で使い魔のようなものを創造し操る、厄介な魔術。
がしかし残念ながら、アリウスの対戦相手が雑魚すぎて、今回ナイトリキッドは見れなかった。
私がアリウスの立場ならば『本選まで本来の力を温存できた』って言うかな」
「本当に残念だ」
「槍に魔導の魔力を収束する武具収束術技『エーテルショット』。
3戦ともこれがとどめの一撃となっている。
Bランクのときにエレナも1発喰っているし、特に要注意な攻撃」
「あれは痛かった」
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