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「もう1点だけわかったことがある。
アリウスは炎術もそこそこいける。
つまりアリウスが使えるのは魔導術、風術、炎術の3つになる。
私のオーラサーチの結果からすると、残りの3属性は不得意だと思われる。
ただし、『不得意』であって『使わない』ではないから注意して。
炎術と風術が使えると広範囲で比較的攻撃力もある『バーストストーム』とかも注意にいれないといけない。
炎術1つで戦略は一気に増える」
「なるほど、Bランクのときはそんなに炎術は使わなかったもんね」
Bランクトーナメントから3週間ほど。
たったそれだけの時間で、彼はどこまで強くなっているのか。
不安と期待が入り交じり、いびつな笑みが生まれた。
「次は、クレスト」
「ヴァンフリーブさんが『あいつは魔術が甘い』って言ってたけど」
「その考えは危険。
ヴァンフリーブと比較すれば甘いのかもしれない。
しかし彼は神聖術を使う。
光と封魔の合成術。
当然、光術と封魔術も使える。
魔術攻撃力も十分にある」
「厄介だね」
「もちろん最も警戒すべきはその卓越した剣術。
通常の剣よりも少し大きめな白銀の剣(つるぎ)は、十分な魔導加工が施された一級品。
剣だけの勝負ならば、エレナに100%勝ち目はない。
必然的に遠距離、中距離からの魔術戦に持ち込むことになる。
相手は常に間合いを詰めてくる。
敏捷性はエレナに分があるから、どれだけ間合いを確保できるかが鍵になる」
「なるほど」
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