Chapter21 死霊術

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「みなさーーーーーーーーーーーーん!  元気してるーーーーーーーーーーーー!!!」 「わーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」  闘技場に轟く明るい声。  司会のミーティア・ユークレス。  南側の入場門の上の最前列で立ち上がり、右手を大きく振り上げて場を盛り上げる。  そしてそれに返す観客たちの溢れんばかりの歓声。  観客席はすべて埋まり、通路さえ立ち見の観客で埋まる盛況。  この街最大の祭りと化した、異様なまでの盛り上がり。  その声は空間を伝わり、私の肌と鼓膜にビリビリとした刺激を与えてくる。  私を含め、本選出場の8名は今、闘技場のステージの上に集められている。  北にセリス。  北東には白銀の鎧と白銀の剣を待つ騎士。  東にはヴァンさん。  南東にはいかにも強そうな体の大きい黒い鎧、黒い斧を持つ重戦士。  南に私。  南西にアリウス。  西には凛々しい顔、美しく長い銀髪をなびかせる騎士風の女性。  北西にはいかにも弱そうな風変わりな身なりをした杖を持った男性、おそらく魔術師。 「今からAランクトーナメント本選を開始しまーーーーーーーすっ!  そして私は、今回のトーナメントで司会進行、実況を勤めます!  ミーティアです!  よろしくーーーー!!!」  その宣言でまた場が盛り上がる。  『かわいい!』とか『好きだー!』とか『結婚してくれ!』という声もチラホラ。  ミーティアの人気の高さが伺い知れる。
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