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ミーティアが叫ぶ。
魔術の威力はクレストも既に把握済み。
封魔防壁である程度、解決できるであろう。
その予測のとおり、彼は氷の壁を突破する。
肉を切らせて骨を絶つ。
そんな言葉に従って。
クレストは剣を大きく振り上げた。
1瞬の笑顔。
それが彼女から零れだし。
「はあぁぁぁぁぁっ!」
彼女の構えた刀の切っ先から、封魔の魔力が溢れ出る。
高速で構築された魔術。
氷が飛び散り、クレストに突き刺さる。
その結果を受け、クレストは攻撃から防御へ展開する。
バックステップで後方退避。
大きく間合いを広げた。
「決まったーーー!
カウンターのダイアブレイクだーーー!!」
「前撃から次撃発動までの時間が短すぎる。
超高速収束。
もしかすると拡散放出したダイアミストを魔力源として利用している可能性もある。
しかし、残念ながら収束した魔力量が少なかった。
致命傷にはなっていない」
私のその言葉のとおり、クレストは状態を立て直し前を向く。
そして臆することなく、次の攻撃に移行した。
とても調和の取れた戦い。
この試合、最後までその結果はわからない。
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