Chapter1 導入

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 杖で頭を殴られ、うめき声を上げた。  杖の先端は中央の半透明なコアを中心とした円形になっているが、その外周に4個の十字架型の飾りが付いている。  その十字架の角部分が軽く皮膚にめり込んだと思われる。  青髪少女の物理攻撃力は紙レベルだが、すごく痛い。  お仕置きにはもってこいですね、その杖。 「うー、ちゃんとわかってるよ  『魔術師になるために闘技場で修行する』です」  これ以上ふざけるとお仕置きが物理から魔術に変わる。  青髪少女の魔法攻撃力は神レベルだ。  このお仕置きが物理から魔術に変わる境界を見極めることは非常に重要である。  そろそろ謝っておこう。 「私はエレナの先生であって、ツッコミ要員じゃないから」  青髪少女が宣言した。  そう、この青髪少女は私の先生である。  ただ、同時にツッコミ要員でもあると思います。  ボケたのにつっこんでくれないと寂しいです。 「はーい、わかってます先生」  と私は軽く返答した。  が、青髪少女は『ほんとわかってんのかお前』みたいな表情だ。  『先生』より『師範』とかの方がよかったかな。
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