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だが、念のため1点確認したい。
「いざとなったらって、具体的にはどの程度ですか」
「ろっ骨がはみ出たら」
青髪少女は無表情で言い放った。
この少女はイライラ以外の感情が顔に出にくい。
どこまで冗談かわからない。
怯える私を見て、心の中では笑っているのかもしれない。
Sかな?
「もう少し早めに助けてもらってもいいですか」
「それじゃ修行にならない」
「はみ出た時点で御陀仏確定っすよ」
彼女は私を厳しく育てるようだ。
にしても、厳しすぎませんか?
現在ゼロのモチベーションがマイナス領域に突入しそうです。
しかし、私も意味もなく闘技場のあるこの街まで来たわけではない。
魔術師として成長しながら、稼いだお金で豪遊するという目的を脳内で復唱し、
マイナス領域に突入しかけたモチベーションがプラスに向くように説得する。
それに私には『これ』がある。
「まあ、私の剣技でなんとかなるでしょ!
剣の扱いもだいぶん慣れてきたところだしさー」
私の得意武器は、『剣』である。
サイズの大きい『大剣』、小さい『小剣・短剣』があるが、私が扱うのはこれらの中間サイズ。
この街までの旅で、私の剣技もレベルアップした、はずだ。
上級のモンスターならまだしも、下級のモンスターならばまず負けることはない。
「剣は使ったらだめ」
「そんなに私のこと殺したいの?」
何言ってんの、この娘。
もしかして頭おかしいの?
それとも、私がモンスターにいたぶられてるのを客席から見て楽しむの?
・・・などと考えていると、青髪少女が説明を始めた。
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