Chapter1 導入

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 次の日。  新しい武器を購入するため、私たちは街の武具店に来ました。 「で。  私は何の武器を使えばいいのですか、ノム大先生?」  横は肩にかかる程度、後ろは肩甲骨くらいまでの長さがある青い髪。  この青髪少女の名前は『ノム』と言います。  襟と袖部分が黄色い白のローブを愛用している彼女は、  『ウィザード』・・・ではなく『プリースト』。  ヴァルナ教という宗教のプリーストとして、それなりの地位を持っていました。  比類ないのは魔術に関する知識だけでなく、その向かうところ敵なしの戦闘能力。  もう大先生と呼ぶしかありません。  その大先生が2日目の講義を開始した。 「それじゃあ、魔法と武器の関係について説明する。  剣は魔法と相性が悪い」 「昨日聞いた」  昨日聞いたことと同じことを口にした先生は、その詳細を説明する。 「それは魔導素材を加工しにくいから。  つまり良い武器が無いってこと。  だから別の武器を購入する」  剣ではないのなら、いったい何を買うのか。  そこで改めて考える。  私の闘技場出場の目的は『魔術師になること』。  ならば剣ではなく、魔術攻撃を練習すべき。  ということは・・・ 「杖でしょ! ノムも持ってるし。  魔術師といったら杖でしょ!」  ただしそれならば、ノムの持っているその高価そうな杖を貸してくれればいいのではないのか。  それならここでムダに散財せずに済むのに。  まあ、壊したらめっちゃ怒られそうだけど。  ・・・。  やっぱり自分で新たに買ったほうが良さそうだ。
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