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痛い、苦しい、体の芯が酷く疼き、身を捩りながら悶える。
私に出来る事など、ただ甘く溜息を漏らしながら待ち焦がれるのみだ。
貴方は知っている。
私のこの甘い疼きを。
私のこの切ない想いを。
心に渦巻いているこのグジュグジュとした、あの人への思いも。
必死になって全てをこのみに閉じこめている事を、
それを閉じこめていた場所ははち切れん程に膨らんで、薄皮一枚で形を保っている。
今にも中身をぶちまけて仕舞いそうな、不安定な私の心。
赤く染まって、切れ込み一つですぐにでも破裂してしまいそう。
隠しきれない程に肥大して、赤々と実っている。
剥き出しの心に羞恥を感じるが、最早隠しようのない本心なのだ。
あぁ、私の耐え難い苦痛を、貴方は少しも減らすまい。
私が今どれほど苦しんでいるのか、貴方は少しも思いやるまい。
私のこの蕃茄の実をもぎ取って行くこの瞬間にも、貴方は別な人の事を考えている。
貴方が望んでくれるなら、この実を捧げても構わない。
例えこれが今生の別れとなるとしても。
狂いそうで、狂ってしまいそうで。
もう、いい。
悪魔と罵られても良い。
愛を憎しみに変える事でしかまともでいられない。
この気持ちは破裂寸前なのだ。
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