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 ――星空の下で、おしゃべりをしよう。  彼の鶴の一声に、すかさず「いいね」と賛同した。  目的地は丘の上の公園。この辺りでは一番見晴らしのいいスポットだ。  真冬の、雲ひとつない夜。  丘から見渡す深夜の町は、明かりが少なく物静か。  外は凍えるように寒いけれど、大気がとても澄んでいる。  漆黒の空に輝くのは、蜂蜜色のまあるい月と無数に散りばめられた星。  素晴らしい満天の星は、この条件だからこそ観られる貴重なものだ。  ベンチに二人並んで座り、持参した熱いコーヒーとスコーンを頬張りながら、会話もなく、じっと空を仰ぐ。  辺りは静寂に満ち、空気がキンと冷たい。  それでも二人寄り添うことで、互いのぬくもりと息遣いをごく間近に感じられた。  彼と一緒なら、どんなに厳しい環境にいても耐えられる自信があるわ。  大好きな人と同じ時を過ごし、同じ星空を見上げられることのなんと幸せなことか。  ――貴方も、同じことを思っているといいな。
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