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「まあまあ、コウ。そう言わずに。すみれさんも、わざとやってるわけじゃないんですから」
「当たり前だ、わざとだったら余計にタチ悪りぃだろ。それに、これ処理するの俺らじゃねーかよ」
仕事増やしやがって、とコウは悪態を吐く。
因みに、あの幽霊のような美女はここにいる私と黒川さん、それからコウを除いて普通の人には見えない。というか、見えていたら今頃町中大パニックだろう。
それなのに、こんな訳のわからない事態をまるで夜ご飯の献立の話でもするみたいに普通に受け止めているこの2人。
2人は私に目に見えないはずの”彼ら”との付き合い方を私に教えてくれている。幼い頃から”彼ら”が見えている事で悩んできた私にとっては、それが最近とても有り難いのだ。
そんな2人と私が出会ったのは、4月のまだ桜が咲いていた頃だった。
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