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3.服部(終)
大型連休の最終日。形ばかりの帰省から戻り、なんとなくひとり飯も億劫で、取り敢えず土井の携帯を鳴らした。
コール1回で着信。でも、なんだか歓迎されていない口ぶりが気になる。通話の向こうに小さく聴こえるモーター音のようなノイズ。そして、スー、スーと規則正しく続くのは誰かの寝息?
もしかして……!
「土井サンッ! ワタクシ貴方ニ恋人ガイルトハ知リマセンデ大変失礼致シマシタ! オ取リ込ミ中デシタカ、ソレデハコレニテ…… 」と電話を切ろうとした時、慌てて状況説明が始まった。
船山の部屋の鍵は開けてあった。素早く滑り込み、しっかり施錠した。
靴を脱ぎ、そろりそろりとベッドの上へ移動する。土井が人差し指を口元にあて、静寂を守れと伝えてきた。
成人男性3人が乗るにはシングルベッドはさすがに狭い。熟睡する船山を踏まないように座り、脚を投げ出した。
ベッドの下から微かなモーター音が聴こえる。ウィンウィンウィン……空回りしてるのか? 気の毒な音だな。
「なに? この図面……この部屋?」
「船山がね、赤鉛筆でチェック入れてたんだけど、ほら、こんな按配だから……」
スヤスヤと眠りこける船山。
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