第三章 絡みつく悪夢

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「個々の方針は解りかねますが、アメリカがシリア政府を転覆させるつもりならば、シリア民主軍をいくら押しても効果は薄いでしょう」  アメリカが大支援を行っているシリア民主軍、中規模の司令部が多数ありそれぞれが自称しているに過ぎないとの見方もあった。  島が言っている根拠は、シリア民主軍がシリア政権を認めていることにある。  イスラム国に対抗するクルド人勢力が主力で、政権よりも地域の防衛に主眼を置いているのだ。  占領地域も政府軍と仕切りをして争わないように協定を結んでいる地区まで見受けられた。 「イスラム国の勢力を押しとどめる為にも必要なのだ。シリア政府に対する効果が薄いのは認めるがな」  代わりにアル=ヌスラ戦線に支援を切り替えてはみたものの、確かに政府軍を攻めたが彼らの主張は望んでいるものではなかった。  結果、アルカイダのザワヒリに忠誠を誓い、タリハール・アルシャームと改名。アメリカからテロ集団指定を受けている。 「そして今度は自由シリア軍を支援ですが、やはり上手くない」  事実だけに反論出来なかった。ジョンソン中将だけの責任ではないが。
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