第四章 道の先にある希望

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 エーン大佐は拳銃を手に取り部屋の片隅の定位置へと居場所を戻す。 「冴子、待たせて済まん」 「いいのよ」 「御子柴だが採用するよう言っておく。俺のことは伏せておいてくれ、いつか俺自身から打ち明けたい。話しが出来るようになるその日まで、頼む」  その言葉は同時に冴子にも向けられていた。  涙が出そうになってしまったがぐっと堪える。 「待ってる、私ずっと待ってるから。私からも話したいことあるの、でもそれは会った時にするわ」  どちらからともなくまたねと通話を切った。  ――次は無い、その通りだ。俺は迷うわけにはいかない、道を定め進むしかないんだ!  どうにも組み合わさらないパズルが一つあったが、強引にでも押し進めようと決める。 「サルミエ少佐、コロラド先任上級曹長に命令だ、早急に会談を設定しろと」 「畏まりました」  言えば解るのだろうがサルミエ少佐も己の役割をどれだけ理解できているか不安になり「タリハール・アルシャームの件で宜しいでしょうか」確認する。 「そうだ」  シリアでの活動も中盤に差し掛かることになる。
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