第七章 国際自由大隊

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 トラックは止まることなく中心部へと走る。ロータリーをぐるりと回り西へと進み続けた。  左に見えたモスクを抜けて更に数分、ショッピングモールや謎の店を過ぎてちょっとした林の傍にと折れる。  病院と林のすぐ西側にはサッカーが出来そうな四角いコートがあり、付属している駐車場に入り停まる。 「着いたのか?」  ほぼ街の中心部、辛うじて林が上空からの視認を困難にしているあたりだろうか。  仕草で降りろと合図され、背嚢を抱えてトラックから降りてあたりを見回す。 「あれは……」  黄色地に赤の一つ星、騎兵隊のような青の縁取り三角旗にILBの文字の軍旗。  隣には同じもので緑の縁取り、YPGと文字が入ったものが翻っている。 「インターナショナルリベラリズムバタリオンか。ようやくやってこられたわけだ」  大隊とは名ばかりで規模が小さい駐屯地だ。中隊程も居るか怪しい。  目の前を歩く男について建物へと入る。  くすんだ緑に青い筋が入る戦闘服に身を包んだ隊員を見かけた。  緑のはYPGの兵が着込んでいるものと一緒で、識別の為に青のラインを入れたのだろう。胸と腕には国旗が縫い付けられている。
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