第二章 中東紛争参戦

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 エレベーターで一階まで降りてフロント前を通り過ぎる。一般客はその多くが外国人でこれといって目立たずにそのまま通過した。  ホテルを出てからアルジェリア通りを東へ歩く、南北を走る大通りにあたる公道51号を跨いで左手を見ると、ムスリムの共同墓地がある。 「街のど真ん中にだ、ここにあるならいつでも会いに来られるもんな」  辺境に埋葬されるのが悪いわけでは無いが、墓地が身近にあるとやはり足を向けやすいものだ。 「戦死した友人らと会えるのが夢の中だけでは寂しいですからね」  長いこと戦ってきて身近な人物を多く失ってきた。各地に埋葬してきたが、ヌル少佐の言う通り夢でしか再会出来ない。 「俺が死んだらニムやスラヤと一緒にしてくれってエーンに頼んである。お前は誰かそういうやつは居るか?」  考えてみるとヌル少佐の私生活を全く知らないので試みに訊ねてみる。 「自分は特には。ですがいずれはボスの傍に眠らせて頂きたく思います」  暫く墓に入る予定は無いので、と笑顔を誘うことも忘れない。  ――本当に変わったよなヌルは。やって来た当時はどうなるかと思ったが。
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