第二章 中東紛争参戦

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 フランス語が解らないわけでも無いだろうが全然反応を見せないのだ。 「仕事仲間というより、私は友人だと思っています。当の本人がどう思っているかは知りませんが」  肩を竦めてヌル少佐を見る。壮年の男も髭をしごきながら笑っている。 「お若いのはどう思っているのか、良ければお聞かせ願えますかな」  他人と話をするのが心底楽しいという雰囲気が伝わって来る。 「私はこの方を生涯の主と決め、女王陛下と等しく忠誠を誓っています」  明るい表情でサラッとそんなことを言う。想像外の答えだったようで、男は髭をしごいて小さく唸っているばかりだ。 「ふーむ……そなた名は何と?」  島の方を向いて訊ねる、興味を持ったようだ。 「アイランドです。ルンオスキエ・アイランド。女王陛下と並べられるなんて相手が悪い」  小者で申し訳ないと小さく笑った。 「私はモンスール・イサ・シェイク、やはり若いのと話をすると楽しい。供がこんなでな、話が弾まんのじゃ」  仏頂面で黙ったままだ。普通は話題に出てきたら何かしら自分のことを喋るものだが。
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